open-notebookの使い方完全ガイド【インストールから応用まで】
あなたは、日々増え続ける技術ドキュメントや論文の山に埋もれていませんか? 新しい技術を学ぶたび、膨大な資料を読み解き、重要な情報を探し出す作業に時間を取られていませんか? 既存のAIチャットに質問しても、手元の資料の文脈を理解してもらえず、期待通りの回答が得られない――そんな経験はないでしょうか。 さらに、機密性の高い情報をクラウド上のAIにアップロードすることに、セキュリティ上の懸念を感じることもあるかもしれません。
しかし、もしあなたの手元にある、あらゆる形式の資料をAIが理解し、対話し、さらにはポッドキャストとして要約してくれるツールがあったらどうでしょう?
しかも、そのデータが外部に漏れることなく、完全にプライベートな環境で利用できるとしたら。 open-notebookは、まさにそのような開発者の悩みを解決するために誕生しました。
このツールがあれば、あなたの知識獲得プロセスは劇的に変わり、より創造的な開発に集中できるようになります。
open-notebookとは — 30秒で分かる概要・誕生した背景
open-notebookは、Googleが提供する「NotebookLM」のオープンソース実装です。
ユーザーが持つ多様な資料(PDF、動画、音声、ウェブページなど)をAIの文脈として取り込み、それらを参照しながら質問応答やコンテンツ生成ができるツールです。
最大の特徴は、100%ローカルでの実行とプライバシーの重視にあります。
これにより、機密性の高い情報を外部サービスにアップロードすることなく、安全にAIを活用できます。
このツールは、AIが思考し、新たな知識を獲得する能力が、特定の企業やプロバイダに独占されるべきではないという思想から生まれました。 開発者は、自分のデータを完全に管理し、自由にAIモデルを選択できるべきだと考えたのです。 OpenAIやAnthropic、さらにはOllamaやLM StudioといったローカルLLMを含む18種類以上のAIプロバイダに対応しています。 これにより、ユーザーはコストや性能、プライバシーの要件に合わせて最適なAIモデルを選べます。 単なる質問応答にとどまらず、複数スピーカーによるプロフェッショナルなポッドキャスト生成や、高度な全文・ベクトル検索機能も備えています。 あなたの研究や開発を、より深く、よりプライベートに進めるための強力なパートナーとなるでしょう。
インストール方法 — OS別コマンド
open-notebookのインストールは、Docker環境があれば非常に簡単です。
macOS、Linux、WindowsのどのOSでも、基本的に同じ手順でセットアップできます。
まずはDocker Desktopがインストールされていることを確認してください。
もし未インストールであれば、以下の公式サイトからダウンロードしてインストールしてください。
Docker Desktopのインストールが完了したら、以下の手順でopen-notebookを起動します。
Step 1: docker-compose.ymlファイルの取得
open-notebookはDocker Composeを使って複数のサービス(アプリケーション本体とデータベース)をまとめて起動します。
まず、docker-compose.ymlファイルを取得します。
作業ディレクトリを作成し、その中で以下のコマンドを実行してください。
例えば、open-notebook-projectというディレクトリを作成するとします。
mkdir open-notebook-project
cd open-notebook-project
次に、docker-compose.ymlファイルをダウンロードします。
curl -o docker-compose.yml https://raw.githubusercontent.com/lfnovo/open-notebook/main/docker-compose.yml
もしcurlコマンドが使えない場合は、ブラウザで以下のURLを開き、内容をコピーしてdocker-compose.ymlという名前でファイルを作成してください。
Step 2: open-notebookの起動
docker-compose.ymlファイルが保存されているディレクトリで、以下のコマンドを実行します。
docker compose up -d
このコマンドは、open-notebookとそれに必要なデータベース(SurrealDB)をバックグラウンドで起動します。
初回起動時には、Dockerイメージのダウンロードが行われるため、少し時間がかかる場合があります。
起動が完了したら、Webブラウザでhttp://localhost:3000にアクセスしてください。open-notebookのユーザーインターフェースが表示されれば、インストールは成功です。
open-notebookの停止
open-notebookの利用を終了する際は、以下のコマンドを実行します。
docker compose down
このコマンドは、docker-compose.ymlで定義されたすべてのサービスを停止し、関連するコンテナを削除します。
ただし、データは永続化されるため、次回起動時には以前の状態から再開できます。
基本的な使い方 — 最低限これだけ知れば使えるコマンド
open-notebookの主な操作はWeb UIを通じて行われます。
コマンドラインでの操作は、主に起動と停止、そして設定ファイルの編集に限定されます。
ここでは、Web UIにアクセスした後の基本的な利用ステップを説明します。
1. Web UIへのアクセスと初期設定
Docker Composeでopen-notebookを起動したら、Webブラウザでhttp://localhost:3000にアクセスします。
初回アクセス時には、AIプロバイダの設定が求められます。
右上の歯車アイコン(設定)をクリックし、「AI Providers」セクションへ進んでください。
2. AIプロバイダの設定
open-notebookは多様なAIプロバイダをサポートしています。
ここでは、OpenAIを例に設定方法を説明します。
「AI Providers」画面で「OpenAI」を選択し、APIキーを入力します。
APIキーは、OpenAIの公式サイトで取得できます。
OllamaなどのローカルLLMを利用する場合は、Ollamaを別途インストールし、そのエンドポイントURLを指定します。
例えば、ローカルでOllamaを起動している場合、AIプロバイダとしてOllamaを選択し、URLにhttp://localhost:11434などを設定します。
設定が完了したら、右上の「Save」ボタンで保存します。
3. ソース(資料)の追加
open-notebookの核となる機能は、あなたの資料をAIの文脈として取り込むことです。
左側のナビゲーションバーにある「Sources」または「Add Source」ボタンをクリックします。
以下の種類のソースを追加できます。
- File Upload: PDFドキュメント、テキストファイル、音声ファイルなどをアップロードします。 例えば、技術仕様書や論文のPDFをドラッグ&ドロップで追加できます。
- Web Page: URLを入力して、ウェブページの内容を取り込みます。 例えば、公式ドキュメントやブログ記事のURLを指定します。
- YouTube Video: YouTube動画のURLを入力し、その内容(音声認識と字幕)を取り込みます。
- Audio File: ローカルの音声ファイルをアップロードします。
ソースを追加すると、open-notebookはその内容を解析し、AIが参照できるように処理します。
この処理には、ファイルサイズや種類に応じて時間がかかる場合があります。
処理が完了すると、ソースリストに表示され、AIとの対話に利用できるようになります。
4. AIチャットの開始
ソースの追加が完了したら、いよいよAIとの対話です。 左側のナビゲーションバーにある「Chats」または「New Chat」ボタンをクリックします。 チャット画面で、AIに質問を投げかけます。 AIは、あなたが追加したソースを文脈として参照し、その内容に基づいた回答を生成します。 例えば、PDFで追加した技術仕様書について「この機能のメリットは何ですか?」と質問すると、仕様書の内容から回答が生成されます。 特定のソースを参照してほしい場合は、チャット入力欄の下にあるソースリストから、参照させたいソースを選択することもできます。
5. ポッドキャストの生成
open-notebookは、取り込んだソースからプロフェッショナルなポッドキャストを生成するユニークな機能を持っています。
左側のナビゲーションバーにある「Podcasts」または「New Podcast」ボタンをクリックします。
ポッドキャスト生成画面で、以下の設定を行います。
- タイトルと説明: ポッドキャストのテーマを設定します。
- ソースの選択: ポッドキャストの基にするソース(ドキュメント、ウェブページなど)を選択します。
- スピーカーの選択と役割: 1人から4人のスピーカーを選択し、それぞれの声のタイプや役割(例えば、ホスト、ゲスト、専門家)を設定します。
- スクリプトの生成: これらの設定に基づき、AIが自動的にポッドキャストのスクリプトを生成します。
- オーディオの生成: スクリプトが生成されたら、オーディオを生成します。
生成されたポッドキャストは、そのまま聞くことができ、開発中のプロジェクト概要説明や、技術解説コンテンツとして活用できます。
便利な使い方・応用例 3選 — 実際の開発シーンに落とし込む
open-notebookは、単なるAIチャットツールではありません。
その多様な機能を活用することで、開発ワークフローを大きく改善できます。
ここでは、具体的な開発シーンにおける応用例を3つ紹介します。
1. 大規模な技術ドキュメントからの迅速な情報抽出と要約
シーン: 新しいプロジェクトに参加し、膨大な既存システムの設計書、APIドキュメント、過去の議事録、関連論文などを短期間で理解する必要がある場合。
応用例:
- 全てのドキュメントをソースとして取り込む: プロジェクトに関連する全てのPDFドキュメント、GitリポジトリのREADMEファイル、ConfluenceやJiraのWebページ、過去の設計レビューの議事録テキストなどを、
open-notebookの「File Upload」や「Web Page」機能を使ってソースとして追加します。 - AIに質問し、主要概念を理解する: 「このシステムの主要なコンポーネントとその役割は何ですか?」 「マイクロサービス間の認証フローについて教えてください。」 「過去に発生した重大な障害と、その根本原因は何でしたか?」 といった質問をAIチャットに投げかけます。 AIは、取り込んだ全てのドキュメントを横断的に参照し、質問に対する要約や具体的な情報を提示します。
- 関連性の高い情報を素早く検索する: 特定のキーワード(例えば、「データ整合性」「非同期処理」)で検索すると、全文検索とベクトル検索を組み合わせて、関連性の高いドキュメントやそのセクションが瞬時に見つかります。 これにより、手動で複数のドキュメントを読み漁る手間が省けます。
この使い方により、新しいプロジェクトへのオンボーディング期間を大幅に短縮し、必要な情報を効率的に吸収できます。
2. プロジェクトの進捗報告や技術解説ポッドキャストの自動生成
シーン: 開発チーム内で週次ミーティングの議事録を作成しているが、後から内容を振り返るのが大変。 また、開発した新機能について、非技術者にも分かりやすく説明する資料やコンテンツが必要な場合。
応用例:
- 議事録や設計ドキュメントをソースとして追加: 週次ミーティングの議事録テキスト、新機能の要件定義書、技術設計ドキュメントなどを
open-notebookのソースとして追加します。 - ポッドキャスト生成機能でコンテンツを作成: 「Podcasts」機能を利用し、追加した議事録やドキュメントを基にポッドキャストを生成します。
- 進捗報告ポッドキャスト: 過去数週間の議事録をソースに選択し、「プロジェクトの最新進捗報告」というテーマでポッドキャストを生成します。 スピーカーを2人(例えば「司会」と「開発リーダー」)に設定し、対話形式で進捗を報告するスクリプトと音声を自動生成できます。
- 新機能解説ポッドキャスト: 新機能の要件定義書や設計ドキュメントをソースに選び、「新機能Xの概要とメリット」というテーマでポッドキャストを生成します。 スピーカーを3人(例えば「プロダクトマネージャー」「開発者」「QAエンジニア」)に設定し、それぞれの視点から機能を解説する形式にすると、より多角的な情報が提供されます。
- 生成されたポッドキャストを活用する: 生成されたポッドキャストは、チーム内の情報共有を効率化するだけでなく、顧客や関係者への説明資料としても利用できます。 特に、非技術者にとって、テキストよりも音声情報の方が理解しやすい場合があります。
この活用法は、情報共有の多様性を高め、コミュニケーションコストの削減に貢献します。
3. ローカルLLM (Ollama/LM Studio) と連携したプライベートな研究開発
シーン: 企業秘密や個人情報など、外部サービスにアップロードできない機密性の高いデータを扱う研究開発を行う必要がある場合。 また、インターネット接続が制限された環境や、AI利用コストを最小限に抑えたい場合。
応用例:
- ローカルLLM環境の構築:
open-notebookを起動するマシンに、OllamaやLM StudioといったローカルLLM実行環境をセットアップします。 例えば、Ollamaをインストールし、Llama 3などのモデルをダウンロードしておきます。# Ollamaをインストール (Ollama公式サイト参照) # macOS/Linuxの場合 curl -fsSL https://ollama.com/install.sh | sh # モデルのダウンロード例 ollama run llama3 open-notebookのAIプロバイダ設定でローカルLLMを選択:open-notebookのWeb UIにアクセスし、設定画面の「AI Providers」でOllamaを選択します。 Ollamaがデフォルトで利用するhttp://localhost:11434などのエンドポイントURLを設定します。 これにより、open-notebookからのAIリクエストが、ローカルで動作するOllamaインスタンスに送信されるようになります。- 機密データを用いたプライベートなチャットと分析: 外部に公開できない社内資料、未発表の研究データ、法的文書などを
open-notebookのソースとして取り込みます。 Ollamaと連携したAIチャット機能を利用して、これらの機密データについて質問したり、要約を依頼したりします。 全ての処理がローカル環境内で完結するため、データが外部に漏洩するリスクをゼロにできます。 インターネット接続がない環境でもAIを活用できるため、オフラインでの作業も可能です。
この方法は、特にセキュリティ要件が厳しい開発や研究において、AIの恩恵を最大限に享受するための強力な選択肢となります。 コスト面でも、API利用料を気にすることなく、自由にAIを試せるメリットがあります。
他ツールとの組み合わせ — 相性のよいツールと組み合わせ方
open-notebookは単独でも強力ですが、他の開発ツールや情報管理ツールと組み合わせることで、その真価をさらに発揮します。
ここでは、特に相性の良いツールとその連携方法を紹介します。
1. Ollama / LM Studio (ローカルLLM実行環境)
相性: 最高。open-notebookのプライバシーとコスト削減の哲学を最も体現する組み合わせです。
組み合わせ方: 前述の応用例でも説明しましたが、open-notebookはAIプロバイダとしてOllamaやLM Studioをサポートしています。
これらのツールをローカルマシンにインストールし、希望するLLMモデルをダウンロードしておきます。 open-notebookのAIプロバイダ設定で、これらのローカルLLMのエンドポイントURLを指定するだけで連携が完了します。
これにより、インターネットに接続せず、APIキーも不要で、完全にオフラインかつプライベートな環境でAIとの対話が可能になります。
機密性の高い情報を扱う開発や、AI利用コストを抑えたい場合に最適です。
2. Obsidian / Notion (知識管理ツール)
相性: 非常に良い。open-notebookで得た洞察を整理したり、既存の知識ベースをAIに投入したりできます。
組み合わせ方:
- Obsidianから
open-notebookへ: Obsidianで作成したマークダウン形式のノートや、関連するPDFファイルをopen-notebookのソースとして取り込みます。 例えば、特定の技術に関するリサーチノートをObsidianで作成し、それをopen-notebookに投入してAIに質問することで、新たな視点や深い洞察を得られます。 open-notebookからObsidianへ:open-notebookのAIチャットで生成された要約や、ポッドキャストスクリプトの内容をObsidianのノートに転記し、既存の知識ベースと統合します。 これにより、AIが生成した情報を自分の言葉で再構築し、より長期的な知識として定着させることができます。 Notionの場合も同様に、ページの内容をコピー&ペーストでopen-notebookに取り込んだり、AIの出力結果をNotionページにまとめることで連携できます。
3. VS Code (統合開発環境)
相性: 良い。開発中に必要な情報を素早く参照したり、コードに関する質問をAIに投げかけたりできます。
組み合わせ方:open-notebookはWeb UIとして動作するため、VS Codeのサイドバーにウェブビューアとして埋め込むといった直接的な連携機能は現在のところありません。
しかし、VS Codeでコードを書きながら、別ウィンドウや別のモニターでopen-notebookのWeb UIを開いておくことで、実質的な連携が可能です。
- ドキュメント参照: 開発中のライブラリのドキュメントや、社内フレームワークのガイドラインを
open-notebookのソースとして登録しておきます。 VS Codeでコードを読み書きしながら、不明な点があればopen-notebookのAIチャットに質問し、即座に回答を得られます。 - コードスニペットの理解: 特定のコードスニペットを含むドキュメントを
open-notebookに取り込み、「このコードの目的と動作原理を説明してください」といった質問をAIに投げかけます。 これにより、コードの理解を深め、開発効率を向上させることができます。
4. Zotero / Mendeley (文献管理ツール)
相性: 非常に良い。研究開発において、論文の管理と内容理解を効率化します。
組み合わせ方: ZoteroやMendeleyで管理している研究論文のPDFファイルを、open-notebookのソースとして一括で取り込みます。
これにより、以下のことが可能になります。
- 論文内容の迅速な要約: 多数の論文の中から特定のテーマに関連するものをAIに要約させ、研究の方向性を素早く把握します。
- 論文間の比較と分析: 複数の論文を同時にAIに参照させ、「これらの論文におけるA手法とB手法の主な違いは何ですか?」といった質問をすることで、比較分析を効率化します。
- 特定の情報の抽出: 論文全体を読み込むことなく、特定の実験結果や定義、先行研究の動向などをAIに質問して抽出します。
これらのツールとopen-notebookを組み合わせることで、情報のインプットから分析、アウトプットまでの一連のワークフローをよりシームレスに、そして効率的に進めることができます。
よくある設定・カスタマイズ — dotfilesや設定ファイルの例
open-notebookはDocker Composeでデプロイされるため、設定のカスタマイズは主にdocker-compose.ymlファイルを編集することで行います。
また、Web UI内での設定も重要です。
1. docker-compose.ymlによる設定
docker-compose.ymlファイルは、サービスの起動設定を定義するものです。
以下に、よくあるカスタマイズ例を示します。
デフォルトのdocker-compose.ymlに以下の変更を加えることで、環境に合わせた調整が可能です。
services:
surrealdb:
image: surrealdb/surrealdb:v2
command: start --log info --user root --pass root rocksdb:/mydata/mydatabase.db
ports:
- "8000:8000" # SurrealDBのポート。変更可能
volumes:
# SurrealDBのデータ永続化パス。ホスト側のパスを変更したい場合に編集
- ./surrealdb_data:/mydata
open-notebook:
image: lfnovo/open-notebook:latest
ports:
# open-notebookのWeb UIポート。ホスト側のポートを変更したい場合に編集
- "3000:3000"
environment:
OPEN_NOTEBOOK_DB_HOST: surrealdb
OPEN_NOTEBOOK_DB_PORT: 8000
# 環境変数の例:
# 認証シークレットを設定する場合 (推奨)
# - OPEN_NOTEBOOK_AUTH_SECRET=your_super_secret_key_here
# デフォルトのAIプロバイダを設定する場合 (例: ollama)
# - OPEN_NOTEBOOK_DEFAULT_AI_PROVIDER=ollama
# AIプロバイダのAPIキーを環境変数で設定する場合 (UI設定を上書き)
# - OPENAI_API_KEY=sk-xxxxxx
# - ANTHROPIC_API_KEY=sk-yyyyyy
volumes:
# open-notebookのデータ永続化パス。ホスト側のパスを変更したい場合に編集
- ./open_notebook_data:/app/data
depends_on:
- surrealdb
主なカスタマイズポイント:
- ポート番号の変更 (
ports):open-notebookがデフォルトで使用するポート3000が他のアプリケーションと競合する場合、ホスト側のポート番号を変更できます。 例えば、"8080:3000"とすれば、http://localhost:8080でアクセスできるようになります。 SurrealDBのポート8000も同様に変更可能です。 - データ永続化パスの変更 (
volumes):./surrealdb_dataと./open_notebook_dataは、コンテナ内のデータをホストマシン上の現在のディレクトリのサブディレクトリに保存する設定です。 これらを絶対パス(例:/var/lib/open-notebook/surrealdb_data)に変更することで、データの保存場所を細かく制御できます。 これにより、Dockerコンテナを削除してもデータが失われないように保証されます。 - 環境変数の設定 (
environment):OPEN_NOTEBOOK_AUTH_SECRET: セキュリティのために認証シークレットを設定することを強く推奨します。 ランダムな文字列を設定してください。OPEN_NOTEBOOK_DEFAULT_AI_PROVIDER:open-notebook起動時にデフォルトで選択されるAIプロバイダを指定できます。 例えば、ollamaと設定すれば、毎回UIで選択する手間が省けます。- AIプロバイダのAPIキー:
OPENAI_API_KEYのように、環境変数としてAPIキーを設定することも可能です。 これにより、UIからAPIキーを直接入力する代わりに、環境変数で管理できます。 ただし、UIで設定したAPIキーは環境変数よりも優先される場合があります。
docker-compose.ymlを編集した後は、必ず以下のコマンドでサービスを再起動してください。
docker compose down
docker compose up -d
2. Web UI内での設定・カスタマイズ
open-notebookのWeb UIからも、多くの設定を変更できます。
- AIプロバイダ設定: 右上の歯車アイコン(設定)から「AI Providers」へ移動し、利用したいAIプロバイダ(OpenAI, Anthropic, Ollamaなど)のAPIキーやエンドポイントURLを設定します。 ここで設定したAIプロバイダが、チャットやポッドキャスト生成で利用可能になります。
- ポッドキャストスピーカープロファイルのカスタマイズ: 「Podcasts」セクションでポッドキャストを生成する際に、スピーカーのタイプ(男性、女性、子供など)や音声スタイルを選択できます。 これにより、生成されるポッドキャストの雰囲気を調整できます。
- 言語設定: フッター部分に多言語UIの切り替えオプションがあります。 日本語を選択することで、UIが日本語表示になります。
これらの設定を適切に行うことで、open-notebookをより快適に、そしてセキュアに利用できるようになります。
今日からできる実行プラン — 3ステップで始める
open-notebookの導入は、複雑な手順を必要としません。
以下の3ステップで、今日からあなたの開発ワークフローにAIの力を取り入れましょう。
ステップ 1: open-notebookを起動し、AIプロバイダを設定する(所要時間: 10分)
まず、あなたのPCにDocker Desktopがインストールされていることを確認してください。 もしインストールされていなければ、公式サイトからダウンロードしてセットアップします。
- 作業ディレクトリを作成します(例:
open-notebook-project)。 - そのディレクトリ内で、以下のコマンドを実行して
docker-compose.ymlファイルを取得します。curl -o docker-compose.yml https://raw.githubusercontent.com/lfnovo/open-notebook/main/docker-compose.yml docker compose up -dコマンドでopen-notebookを起動します。- Webブラウザで
http://localhost:3000にアクセスし、UIが表示されることを確認します。 - 右上の設定アイコンから「AI Providers」へ移動し、利用したいAIプロバイダ(例えばOpenAIやOllama)のAPIキーまたはエンドポイントURLを設定し、保存します。 ローカルLLMを試したい場合は、Ollamaを先にインストールし、モデルをダウンロードしておくとスムーズです。
ステップ 2: 最初の資料を読み込ませ、AIとチャットしてみる(所要時間: 15分)
open-notebookの基本的な機能を体験してみましょう。
- 「Add Source」ボタンをクリックし、手元にあるPDFドキュメント(例えば、あなたが書いた技術ブログ記事、読んでいる論文、よく参照する公式ドキュメントなど)をアップロードします。 または、普段よく訪れる技術系ウェブサイトのURLを入力して取り込みます。
- ソースの解析が完了するまでしばらく待ちます。
- 「New Chat」ボタンをクリックし、新しいチャットを開始します。
- チャット入力欄の下にあるソースリストから、先ほどアップロードした資料を選択します。
- その資料の内容に関する簡単な質問をAIに投げかけてみましょう。 例えば、「このドキュメントの主要なテーマは何ですか?」や「この技術のメリットを3つ挙げてください」といった質問です。 AIが資料を文脈として参照し、適切な回答を生成することを確認します。
ステップ 3: 応用機能を試す — ポッドキャスト生成やローカルLLM連携(所要時間: 30分〜)
基本操作に慣れたら、open-notebookの強力な応用機能を試してみましょう。
- ポッドキャスト生成を試す:
- 開発中のプロジェクトの概要や、学習中の技術についてまとめたテキストデータ(マークダウン形式など)を用意し、ソースとして
open-notebookに取り込みます。 - 「New Podcast」ボタンをクリックし、タイトルと説明を設定します。
- ソースとして、先ほど取り込んだテキストデータを選択します。
- スピーカーを2人以上選び、それぞれの役割と声のタイプを設定します。
- 「Generate Script」でスクリプトを生成し、内容を確認します。
- 「Generate Audio」でポッドキャスト音声を生成し、再生してみます。 チームへの報告や、技術解説のコンテンツとして活用できるか検討してみてください。
- 開発中のプロジェクトの概要や、学習中の技術についてまとめたテキストデータ(マークダウン形式など)を用意し、ソースとして
- ローカルLLMとの連携を深める:
- もしステップ1でOllamaなどのローカルLLMを設定していなければ、この機会に設定してみましょう。
- 機密性の高い仮想的なドキュメント(例えば「社外秘のプロジェクトXに関する要件定義」と明記されたテキストファイル)を作成し、
open-notebookにアップロードします。 - AIプロバイダとしてローカルLLMを選択した状態で、この機密ドキュメントに関する質問をAIに投げかけます。 全ての処理がローカルで完結していることを実感し、プライバシー保護のメリットを体験してください。
この3ステップを通じて、open-notebookがあなたの開発や学習にどのように役立つかを具体的に理解できるはずです。
今日からopen-notebookを使い始め、AIと共に知識を深める新しい体験を始めてみませんか。
参考文献
- open-notebook GitHubリポジトリ
- open-notebook 公式ウェブサイト
- Testing Open Notebook: A Complete Guide
- Docker Desktop公式サイト
- Ollama公式サイト